琵琶湖を中心に強烈な釣果を叩き出しているナグナムクランク。クランクベイトとは思えない大きな外見から敬遠しがちな人も多いのではないでしょうか?
気なるけど使い方がわからない、デカすぎて手を出しにくい・・・そんな方に向けてマグナムクランクの使い方とオススメのタックルを紹介します。
マグナムクランクについて
まずマグナムクランクとは何か?そこから話していきます。「もう知ってるよ」っていう人は目次から次に進んでください。
マグナムクランクとは簡単にいうと『でかいクランクベイト』
ほとんどのマグナムクランクと呼ばれるものが2OZ前後の重量があり、一見クランクベイトというよりもビッグベイトのような存在感があります。
depsのイヴォークシリーズの比較画像です。下からイヴォーク1.2、 真ん中イヴォーク2.0
そして上の一際大きなクランクベイトがイヴォーク4.0になります。
マグナムクランクの使い方
マグナムクランクは高速リトリーブ・速巻きが基本的な使い方となります。
丸くて大きなシルエットを活かして『ブルーギル』をイメージして使うことが多いです。
この大きな物体をロングキャストして高速でリトリーブするのですが、相当な引抵抗に巻く手が止まってしまうこともあるでしょう。
しかし、そこをグッと我慢してグリグリ巻いてやりましょう。もはや釣りというよりも筋トレに近いものを感じる釣りですね・・・。
しかし、高速で巻くことだけに集中していてはいけません。
高速で巻く=スピード感も重要なのですが、その先の『何かにコンタクトさせてからのステイ、浮上』がこの釣りのバイトチャンスとなります。
琵琶湖では高速で巻いてマグナムクランクを潜らせて、ウィードにタッチからの浮上で食わすという流れが一般的だと思います。
これはリザーバーや野池でも同じです。
リザーバーでウィードまみれのフィールドは少ないと思いますが、立木にマグナムクランクをタッチさせて、数秒間ステイ(浮上)でバイトチャンスを作るという使い方もできます。
実際にボクはこの方法でいい思いをさせてもらってますよ
リザーバーや野池では立木エリアでしか使えないというわけではありません。
今まで3〜4mダイバーのディープクランクを投げていたような場所にマグナムクランクを投げてボトムにある『何かタッチ』させてしまえばいいわけです。
次に紹介する使い方は荒れた時に限られる使い方になりますが一応紹介します
ストーミーと言えば荒れた天候を想像する人も多いかもしれません。
まさにその通りでインレットから濁った水が入り込んでいる時やリザーバー全体に濁りが入ってしまった状況で活躍するルアーでもあります。
田辺さんの使い方はこれが多いですよね。
リザーバーの濁ったインレットにマグナムクランクを投入して圧倒的な存在感と水を押す力でバスを惹きつけるといった使い方がリザーバーでは実績が高い釣り方です。
ストラクチャーにタッチさせて浮上させて使う時は高速リトリーブがキーになることが多いと思いますが、濁ったリザーバーや濁ったインレットで使う時は高速リトリーブする必要はないように思います。
普通にクランキングをするイメージでOKです。
クランクベイトというには大きすぎる見た目から敬遠されがちなルアーですが、実際に使ってみると意外と繊細な要素も含みフィネスな一面もあります。
濁りなどフィールドコンディションが悪化した場合にはこれぞ巻き物という豪快な釣りにも対応できるある意味で万能なルアーでもあります。
マグナムクランクにオススメのリール
次にマグナムクランクを巻き続ける上で重要なリールについて話していきましょう。
はっきり言ってこの釣りにはリールの性能がとても大切なんですよ。
以前ジリオンSV TW ギア比6.3:1でマグナムクランクを巻いていました。
まあ、それはもうとんでもなく辛かったことを思い出します笑
マグナムクランクの釣りに適したリールの条件は以下のようになります(個人的な意見なので違う思えばスルーしてください)
- ボディーの剛性感
- 速く巻くためのローギア
それでは上記のポイントについて個別で解説していきましょう
ボディーの剛性感
以前はジリオンSV TW でマグナムクランクを巻いていたという話をしました。
しかし、結果は辛いだけでした。そこでボクと同じロッドを使っていた友人のタックルを借りてみたのですが、リール以外同じタックルのはずなのに全く違うルアーを巻いていると錯覚するほどの衝撃を受けました。
その友人が使っていたリールがダイワのZでした。Zと言えば剛性感を売りにしたロープロモデルです。
ここでキーになるのは『メタルハウジング』なのではないかということです
ジリオンSV TWでも十分な剛性があるリールです。
しかし、巻き上げスピードがあまり変わらないはずなのに同じマグナムクランクを巻き比べたときの巻き上げトルクの違いは明らかでした。
結局のところ巻き上げトルクの違いは『ボディー剛性の違い』に行き着くのだと思います。
そこで金属のボディーの強靭なリールを求めて見つけ出したのが12アンタレスでした。
マグナムクランクをグリグリ巻き続けるにはハンドルの長さも重要になります。12アンタレスにはシマノでいうロングハンドル84mmが装着されています。
正直なところもっと長い方が好みなのですが十分に巻き切れる巻き上げトルクを発揮します。
ロープロリールなのでパーミングもしやすく、ロッドを握る手にも力が入ってしまうマグナムクランクの釣りでは分厚い金属ボディーの剛性感以外にもパーミングというアドバンテージがあります。
金属ボディーの剛性感のアドバンテージ!マグナムクランクにオススメのリール
以前書いた18リョウガのレビュー記事です。現在はアンタレスとリョウガを使い分けています。(その日の気分です)
巻き上げトルクという点ではリョウガが勝っていますが、圧倒的な飛距離、巻き感度では12アンタレスですね。
どちらもマグナムクランクでオススメのリールです。
速く巻くためのローギア
単純に速く巻くためにはハイギアの方が有利ですよね。
しかし、ディープクランクやマグナムクランクのような巻き上げ抵抗がエグいルアーではハイギアでは巻き続けることが困難です。
あなたがゴリゴリのマッチョで筋力に自信がある場合はハイギアをオススメしますが、そうでない場合はノーマルギア〜ローギアを選ぶ方が結果として速く巻くことができるはずです。
ギア比だけではなくスプール径も重要になるのでギア比ではなく、最大巻き上げ長で話を進めますね。
最初に結論から言うと巻き上げ長60センチ程度のリールが楽に速く巻けると言うこと。
巻くのがシンドイリールで速く巻くには限界があります。
しかし、楽に巻けるリールならば高速でハンドルをグリグリ巻き続けることができることによってより速く巻くことができるということです。
アメリカではシャロークランクを巻く場合ローギアだと『かったるい』という理由でハイギア推しのプロが多いです。
しかし、ディープクランクは辛くて巻き続けられないという理由でローギアが使われていますね。
ツアープロのクランキングのスピードは日本人には想像もできないような高速リトリーブです。
高速で潜らせてスタンプにタッチさせるといったシンドイ釣りをする為のローギアなのです。こんな釣りをプラを含め長時間やると手首が壊れます・・・
ボクがおすすめしている12アンタレスの最大巻き上げ長が65cmです。
ラインをパンパンに巻いて使っても普通に巻けるのですが、ローギア化する為に巻き量を90%ぐらいに抑えて最大巻き上げ長を抑えています。
18リョウガについては最初からクレイジークランカーというローギアモデルを使っているのでフルに巻いて使っています。
マグナムクランクにおすすめのロッド
次はマグナムクランクにおすすめのロッドを紹介します。
実際に使ったことのないロッドを紹介するわけにもいかないので、今回はボクが実際に使っているモデルをご紹介。
レジットデザイン ワイルドサイド 72M
WSC72M全長: 7ft.2inc / 標準自重: 136g / アクション: MF / グリップ長: 270mm / 先径: 2.0mm / 元径: 13.4mm / 継数: 2pc(グリップ脱着式・ストレートグリップ) / 適合ルアー: 5-18g / 適合ライン: 10-20lb / カーボン: 85% / アラミド: 10% / グラス: 5% / メーカー希望小売価格: 29,800円 / 品番: 111-022 / JAN: 4573126350220
中量級巻物ロッドとして開発されたこのロッドは3/8oz.スイムジグやスピナーベイト、中型ジョイントベイトなど、フッキングパワーを要するシングルフックのルアーや大型のハードベイトにベストマッチです。ノー感じになりやすいスイムジグの挙動をしっかりと感じ取ることができる感度。ロングキャストしやすいスムースなベンドカーブ。ウィードへの当たり具合や切り方、外し方を徹底的に研究して作り上げたブランクは、中弾性カーボンをメインマテリアルとして、適所に異弾性カーボンを配置。全体をアラミド繊維シートで巻き上げることによって、キレがありながらも、しなやかで粘りのある信頼性の高い仕上がりです。琵琶湖プロガイド平村尚也が責任監修したこのロッドは琵琶湖南湖でシーズン通じて出番の多くなることでしょう。ライトテキサス、ヘビーダウンショットにも対応する汎用性も魅力のロッドです。引用:レジットデザインHPより
このロッドの適合ルアーは5〜18gとなっています。マグナムクランクと言えば2OZ前後のウエイトがあります。完全にオーバーしています笑
なぜこのロッドを選んだのかというとレジットデザインのサポートプロ北大祐プロの影響でした。
ビッグベイトのようなクランクを投げるということ、デカすぎる見た目とドシッとした重量感からフリッピングロッドのような硬いロッドを選ぶ人も多いかと思います。
しかし、『あくまでもクランクベイトである』というということです。これだけデカくて巻き抵抗が強烈なルアーをガチガチなロッドで巻くとしんどすぎて数投で嫌になってくるレベルです。
ではビッグベイトロッドは?ガチガチのフリッピングロッドよりは快適だし、キャストの安定感は増すと思います。でも、考えてみてください。ビッグベイトロッドのイメージってどうですか?
重い!これが潜在意識にありません?実際のところ重たいんです。これを一日中振り回せますか?ボクには無理でした。
この経験から行き着いたのが中、重量級巻き物ロッドでした。
中、重量級の巻き物ロッドを探していた時にふと思い出したのが雑誌だったかSNSだったは定かではないのですが、
北プロがマグナムクランクを巻いたり、10XDのようなスーパーディープクランクを使っていたロッドが72Mだったのです。
北プロのファンだったということもありワイルドサイド 72Mが気になってきました。
ザ・琵琶湖なサイドワインダーにもキムケンプロデュースのフェルデランスやガイド前田愛用のボアコンストリクターがあります。
ひょっとしたら流行りに乗って少ししかやらないかもしれない釣りに5万円は出せません。
しかし、ワイルドサイドなら3万円です。もし、マグナムクランクを投げなくなってもスピナーベイトやスイムジグに使おうと思って購入しました。
ボクの購入理由はこの辺にして、この釣りになぜ72Mが適しているのかという話に戻ります。
まず、このロッドはミディアムパワーと思わないでください。はっきり言います、MHです笑
レジットデザイン ワイルドサイド共通事項なのですが、Mは18gまで、MLは14gというふうに決まっています。
なぜこのような表記になっているかというということを少し説明しますね。
73MLというディープクランキング、バイブレーション用のロッドがあります。
MLなので適合ルアーウエイトは14gまでです。
しかし、琵琶湖のプロスタッフ達はこのロッドでDEEPX300を投げまくります。完全にスペック的にはオーバーウエイトです。
実際には普通に使えるウエイトなのですが、他のもっと短いMLでDEEPX300がフルキャストできるか?できないことはないと思いますが、73MLほどの安心感、安定感はありません。
どういうことかというと同じMLパワーなのになぜ適合ルアーウエイトが違うのか!?というユーザーからのお叱りが来ないように最初からMLは○g、Mは○gというようにパワーごとにスペック上の適合ルアーウエイトを設けているようです。
つまりこのロッドは○gまでですよ〜という表記ではなく、72mの適合ルアーウエイトはMパワーだから5〜18gとなっているのです。
だからボクはこの表記を一切無視しております笑
このロッドに18g程度のクランクベイトではむしろ軽すぎるぐらいです。
2OZのマグナムクランクをシャロークランクのように手首のスナップを効かせて投げるとなると流石にシンドイですが、ロッドにしっかり2OZの重みを感じながら押し出すように投げるといいでしょう。
スイングスピードが早すぎる飛行姿勢が安定せず飛びませんし、ロッドにも良くないですからね。でも、びびってよっこらしょ〜っと投げているわけではありません。
普通にオーバーヘッドでややゆっくりめのほぼフルキャストです笑
ほとんどの人がマグナムクランクの重量を背負えるロッドを探しているのだと思います。
変に硬いフリッピングよりのロッドや重たいビッグベイトロッドを選ぶのではなく、ボクは中、重量級巻き物ロッドをおすすめしています。(MH〜Hぐらいのクランキングロッドとかいいですよ)
書いている本人が何を言いたいのかわからなくなってきたので、マグナムクランクのロッド選びの条件について話ますね。
重量級のルアーウエイトを背負える力強さがあることは大前提ですが
『しなやかなブランクスでしっかり曲がること』
テーパーはレギュラーからスローよりであれば尚よし!
しなやかで良く曲がって素直なテーパーのロッドが使いやすいと思っているのですが、これに該当するのがワイルドサイド 72Mです。
あまり先調子すぎるロッドではベリー付近で負荷を受けることになり、実際に感じる負荷は相当もものです。
しなやかなブランクス、レギュラーからスロー寄りのテーパーで負荷をしっかり分散する。
これがマグナムクランクを巻き続ける上でのキモだと思うのです。
琵琶湖スペック共通の圧倒的なトルクとしなやかなブランクスからは想像できない圧倒的なリフティングパワー。またグラスロッド、グラスコンポジットにはない感度も備えています。
マグナムクランクの使い方でも言いましたが、何かにタッチさせてからの浮上で食わせることが多いので『ある程度の感度』は必要です。
ウィードエリアの場合はウィードを切る、ほぐす作業も必要になります。
しなやかでありながら適度な張りもあるので、ほぐす作業や必要以上にストラクチャーにルアーを絡め過ぎないという重要なファクターをクリアーしています。
【しなやかさと適度な張りの両立。負荷を受け流すテーパーデザイン。しっかり曲がることで魚をバラしにくい】
まさにマグナムクランクを巻き切る上でぴったりのロッドだったのです。
ボアコンやフェルデランスのように専用に近いロッドもありますが、3万円で買えるマグナムクランク用ロッドとしてワイルドサイド 72Mをおすすめします。