2020年9月末発売予定のXAF-61020不動について書こうかなと思います。
このロッドを制作するまでの経緯などは書きませんが、61020不動、以下610不動は私自身のメバリング・・・主に尺メバルを狙って、仕掛けて獲る為のロッドです。
610不動のコンセプト
一般的な尺メバル用ロッドといえば
・長い、ゴツい、硬い・・・といった3点がほとんどのロッドに当てはまると思います。
概ね8ft以上のロングロッドで10g以上のウエイトを背負う事ができるパワー、掛けた魚を強引に引き剥がす硬さ、パワーが必須です。硬さはちょっとパワーとは違いますが今回は一緒の括りにさせてもらいます。
硬い!これに関しては610不動も同じく硬いロッドです。しかし、世の中に存在するこの手のロッドと決定的に異なる点は長さです。6ft10インチと言うショートレングスです。
ではなぜ7ftを切るショートレングスに設定したのか?それは私自身のスタイルがテトラでの釣りである事。磯に行かない事。
長年このスタイルで尺メバルを狙ってきたのですが、その結果私のスタイルにロングロッドは不要という事がわかりました。最初の頃は教科書通りのロングロッドにハイギアのリールという組み合わせでしたが、長さのメリットよりもデメリットの方が大きく感じるようになりました。そこで610レングスのバスロッドを使用するようになり現在のスタイルが構築されました。
610というレングスでは短いのでは?と何度も言われてきましたが私自身はあまりレングス不足を感じた事がありません。
磯がメインの方にはお話にもならないレングスですが、何度も言いますが私のメインの釣り場はテトラです。しかし、一番下まで降りる事はありません。そうなってくるとロッドが30cm程度長かろうが短かろうが大差ありません。テトラを並行引きする為に〜〜などよく言われる事はあまり関係なくなってくるのです。どうせ届かないから同じなのです笑
しかし、長さが30cm違うとロッドの操作感には雲泥の差が生じます。長いロッドよりも短いロッドの方が操作感、軽快感が生まれます。私が重要視しているのは長さよりも操作感、軽快感なのです。いくら軽いロングロッドを使ったところで長さがある以上そこを埋める事はできません。
では、操作感、軽快感だけならアジングロッドでいいのでは?
フッキングまではそれで何ら問題ありません。しかし、ストラクチャーに着いた尺メバルをアジングロッドで強引にキャッチするのは現実的ではありません。
何が言いたいのかと言いますと、このロッドに求めたのはアジングロッドに近い軽快な操作感(操作感度含む)、MLクラスのバスロッドのパワーの融合です。
610不動の特徴
この画像はプロトなので少し最終モデルよりもグリップが短いのですが、あまり変わりません。4S-610Sと同じぐらいのグリップレングスなのでこのクラスのロッドにしては比較的短い部類に入るのではないでしょうか?
10gオーバーのキャロやフロートの遠投や肘にエンドを当ててのファイトを想定して必要最低限なグリップレングスに設定しています。
外観はこのあたりで終わりますが、このロッドの最大の特徴は高弾性ソリッドティップです。高弾性ソリッドティップといえばあまりインパクトはありませんね笑
一度触って貰えばわかるのですが、ソリッドとは思えないぐらい硬いソリッド付いています。チューブラー部分はパリッとしたL~MLクラスのバスロッドのような張りがあるので、このままティップまでチューブラーで組んでしまうとただのバスロッドのようなロッドになってしまい軽快感、操作感度も何もあった物ではありません。
そこでレガーメの稲継社長が得意とするソリッドを導入しました。以前使っていたバスロッドでは軽めのジグヘッドの操作感度が低かったので、このロッドではその部分を徹底的に拘っております。
感度を強制的に向上させる為の硬いソリッドティップだと思って頂けるとわかりやすいかもしれません。
硬いと言ってもソリッドです。反発のより強いチューブラーとは違います。ソリッドにすることで竿先が仕事をするようになることでフッキング率もアップします。これはまた別の機会に説明するかもしれませんが、チューブラーよりソリッドの方がノリが良いとされる理由は竿先10cmが関係しています。チューブラーでもそんな調子にする事はできますが、一番細いティップが入るロッドはノリ、操作感と引き換えに破損のリスクも上がります。そこからフッキングパワーの伝達など色々あるのですが今回は割愛させていただきます。
大きく脱線したところで話を戻します。硬いチューブラーではなく硬いソリッドを採用した理由に操作感度の向上の他、ウィードやストラクチャーと上手にお付き合いしたいという事が大きいのです。
先のマイルドなロッドでウィードエリアを攻めた場合結構な頻度でウィードを拾います。チューブラーで張りのあるティップの場合ある程度それを緩和する事が可能です。しかし、それでは軽量リグの操作感、操作感度がよくありません。ウィードエリアを舐めるように丁寧にキワキワを攻めたい。しかし、ある程度の張り、反発がないとウィードに喰われてしまう・・・。テトラ、ボトムでも同じことがいえます。
そこを絶妙な塩梅で調整したソリッドティップを搭載しています。
ある程度軽めのジグヘッド単体を操作でき(ここはアングラーの力量に左右されるところです)、ウィード(テトラなどの硬いストラクチャー含む)に深く刺さる事なくハングオフなどの小技を使って大胆にストラクチャーを攻略する為の張りの強い高弾性ソリッドティップなのです。
このメバルは33cmあるかないかぐらいなのですが、テトラのキワに生えたウィードに軽く引っかかったところで、ポンっとハングオフしてリアクション気味に食ってきた一匹。なかなか厄介なところで食ったのですが強引にやりとりして最後はタモも使わず抜きあげる。それぐらいのロッドパワーも持ち合わせています。
テストでは70後半ぐらいまでのシーバスやボートからブラックバスを釣ってみたりと対象魚のメバル・アジ以外の魚でもパワーテストを行いました。このクラスの魚になると(特に下に下に突っ込む魚)レガーメの特徴である4軸カーボン補強の強さ、トルク感を実感する事ができます。パワーがある=曲がらない物干し竿でなく綺麗にベンドしてその復原力で魚をグイグイ寄せてくるイメージですね。決して曲がらないただの棒のようなロッドでなありません。感度だけと言ったような木・・・木だけなくはなく、釣り竿としてのトータル的な性能といった森を見ているつもりです。
先に前もって言っておきますがレガーメの提唱する神感度は反響感度だけにスポットを当てたフレーズではありません、反響だけではなくリグの操作感度などを含めたフレーズです。一応、神感度を謳うメーカーなのでこれを言っていいのかわかりませんが、10年以上経っても未だに言われる反響感度至上主義。ぶっちゃけた話、反響面で高感度なロッドと魚が釣れるロッドは全く違います(どうせなら感度が高いに越した事はないけど)。感度、何は無くとも反響感度!!!ではなくただコンっという反響感度を追い求めるのではなく、いろんな意味での感度を含めこのロッドの特徴が活きるシチェーションで最大限のパフォーマンスを発揮できるような魚を釣る為の道具を作ったつもりですし、使うアングラーが常識の範囲内で好きなように魚を釣ってほしいと言う制作側の想いもあり●●専用というジャンルを設けずにライトゲームというロッドカテゴリーにしました。
ってな感じで言っておりますが、反響感度の面も十二分に高感度なロッドにはなっております笑
余談ですが、バスのダウンショット、ライトキャロ、ネコリグなんかにすごく良かったりもします笑 これ一本でオカッパリなんてことも・・・できちゃいます笑。
610不動の使用用途
軽快な操作感や小技の使いやすいパワーロッドと言う事以外にも10gオーバーの分離リグ、キャロやフロートリグにも高次元で対応可能です。
激流の中でもしっかりと硬めのティップでリグを操作して、しっかりとフッキングまで持ち込む事ができるベリー〜バットのパワーはキャロにもうってつけです。私自身キャロ、フロートは10g以上の場合このロッドを使用しています。
私自身の主な用途は以下の通りです
- 尺メバル、大型アジのジグ単
- 10g以上のキャロライナリグ、フロートリグ
- たまにバス釣り・・・
ずらーっと書いてみたのですが大体の特徴はこんな感じです。
カタログや実物を見た事がある方はご存知かもしれませんか、レガーメのロッドはグリップデザインなど機種ごとにバラバラです。
それはそのロッドを担当したテスターの拘りであり、担当テスターのわがままを詰め込んでいるからです。
今回発売する610不動についても私なりのわがままと拘りを詰め込んだロッドです。
多少クセの強いロッドなので万人受けするロッドではないと思いますが、少しでも気になった方はぜひ一度手に取ってみていただけたらなと思います。
通算3桁超えの尺メバルを獲ってきましたが、まだ見ぬ上顎35アップを本気で獲る為のレコードブレイカー的な意味合いも強いこのロッド。
このロッドを握るアングラーのレコードブレイクに貢献できる事を切に願います。