今回はレガーメのアジングロッド X -ARMATURA(エックスアルマトゥーラ?)のインプレについて書いていきます。
レガーメさんといえばソリッド部分を除くチューブラーの部分がフル4軸カーボンのアジングロッドです。縦と横のカーボンだけでなく斜めにもカーボン繊維がプラスされる事で捻れに対して強くなっています。
最近では4軸のロッドが多くなってきましたが未だにフル4軸カーボンのロッドはあまり市場に存在しないように思います。
今回はそんな4軸カーボンを纏ったX-ARMATURA XAB-6517毘沙の個人的なインプレをお届けします。
XAB-6517毘沙のスペック・外観
重さ
6フィート5インチのショートソリッドティップで自重約57g。このロッドのパワー設定を考慮するとかなり軽量な部類に入ると思います。
メーカーHPの説明文では対ギガ・テラアジ用の剛竿を連想させるような説明だったのでボク自身も初めて触った時の第一印象は『意外と普通のアジングロッドやん・・・』でした。もっとガチガチでズシッとした厚巻きのロッドだと思っていたので意外でした。(最近はメーカーHPの説明文が変更されていますが、以前はパワーを前面に出したかのような説明文でした)
ティップ・バット径
毘沙には20cm程度のかなり硬めなショートソリッド搭載されています。ティップの径が0.8mm。バットの径が10.4mm。ティップ、バット共により繊細な用途で使われる牙突とあまり変わらない仕様となっています。
径が0.8mmと細いソリッドですがかなり張りのある硬いソリッドが付いていますので、リトリーブよりもカリカリのソリッドティップをセンサーとしたフォールからの掛ける釣りに向いている事がわかります。リトリーブでは25cm程度のサイズでも弾くことも多いですが、フォールの釣りであれば15cm程度の豆アジでもしっかり掛けることができました。
ガイドセッティング
ガイドセッティングは全8個。トップガイド、バット側から2つの計3個がSIC-Sリング。残りがトルザイトリングとなっています。以前レガーメさんのフルトルザイトのロッド(マイナーチェンジ前)を使ったことがありますが、シンカーアジングを使うと下手くそなバイオリンのような糸鳴りが不快でした。不快なだけならまだしも飛距離がガクッと落ちていたのでトルザイトに不快感しかありませんでした。
最近のマイナーチェンジ後のモデルや今回の毘沙には独自のセッティングが施されており、編み糸を使った場合でも不快な糸鳴りはなくなっていました。どうやらトップガイドにトルザイトを採用するのが良くないようですね。他のメーカーさんもトップガイドのみSICを採用するパターンが増えてきましたね。
ブランクス
メーカーロゴやスペックの表記がブランクスにはなく、全てリールシートより下に表記されています。神感度が売りのメーカーさんなので反響感度への拘りなのかもしれません。ブランクスは無塗装のアンサンドフィニッシュ。4軸で凸凹したブランクスがPEラインなどコシのないラインが張り付くトラブルの軽減につながります。個人的な見解ですが、バットやグリップ周辺にのみ4軸を採用しているアジングロッドが多いですが、バットよりも先の捻れやすい部分に捻れに強く形状復元力の高い4軸カーボンを採用しないと4軸の意味はあまりないと思っています。
キャスト精度が特別問われる訳でもなく、対象魚が小さいライトゲームにロッドの補強が必要かどうかは置いておいて、レガーメさんのようなソリッドを除くチューブラー部分に全て4軸を採用しているロッドは評価できます。
グリップデザイン
リールシートはIPSシート。レガーメさんといえばSKシートのイメージが強かったのですが、SKシートのロッドは持ちにくいので好きではありません。ツーフィンガー、スリーフィンガーの場合は良いと思いますが、リールフットに指を挟まない持ち方の場合は窮屈なのでとても指が疲れます。
毘沙はIPSシートなので手の平にフィットしやすく持ち方の自由度が高いので使い手を選ばず使えます。感度の面でもIPSの方が優れていると思います。(欲をいえばフォアグリップがもう少し長ければ持ちやすいのに・・・)
グリップに使われているEVAがすぐに潰れてテカリやすいので定期的にメンテナンスを行った方が良いかもしれません。
グリップエンド
グリップエンドはやや大きめのEVA。エンドにゴムやラバーのような素材が付いていないので直置きするとグリップエンドに凹みや傷が入ります。現地でガイドにラインを通す時やガイドにラインが絡んだ時はバッグやタックルボックスの上にグリップエンドを置いて作業をした方がいいでしょう。
リールとのバランス
ボクの場合はリールフットに指を挟まない前持ちやスリーフィンガーをその時の気分で変えているのですが(スリーフィンガーで指が痛くなったら前持ちに変更するみたいな)、視点となる中指の位置はフォアグリップの先端部分に当てています。
スティーズ タイプ1と組み合わせた場合、中指の位置で水平にバランスが取れます。
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約170gのリールでこの位置なのでツーフィンガーで握った場合は先重りを感じます。スリーフィンガーでもロッドを支える視点となる指の位置がもっとリールフット寄りに握る場合は先重りを感じるでしょう。
フォアグリップが短いので前持ちは指が痛くなることがあるのですが、スリーフィンガーの時よりもバランスは取れているのでテンションのオンオフは感知しやすくなります。前持ちの場合は先重りを感じることなくバランスがしっかりと取れています。
ツーフィンガーでバランスを取るには230g以上の重さが必要になると思います。(申し訳ありませんが200g以上のリールが手元にないのであくまでも想像です。190gのリールでもまだ先重りを感じました。)
操作感
毘沙で使用したジグヘッドのウエイトは0.6g~3g。レンジクロスヘッド、ラッシュヘッドLサイズを使用。ラインはPE0.3〜0.4号。
強風対策、ファーストフォールでアタリを取りやすくする為にシンカーアジング0.3号をメインで使用するようになりましたが、不快な糸鳴りや飛距離の低下もないので問題なく使用できています。
ギガアジロッドというパワー設定やPEライン0.4号を使用しているということもあり、あまり軽いジグヘッドの使用感は期待していませんでしたが、1g前後の軽めのジグヘッドでも十分な操作感を得ることができました。おそらく愛媛のようなスーパーディープを想定しているロッドでしょうから、ディープでの使用感に不安はありませんでした。マイルドながらも全体的に張りのあるブランクスのベリーでしっかりと負荷を受け止めて水深10mで3gのジグヘッドでもキビキビと操作することができました。
軽めの1g前後のジグヘッドから3gを超える重ためのジグヘッドまで万能に使えるロッドです。ディープや重ためのジグヘッドの操作感が抜群ですが、テンションの調整が容易にできるロッドでもあります。大きめのワームを軽めのジグヘッドでふわ〜っと落としいく釣りなんかにも最適です。
感度
超絶高感度というわけでもありませんが、必要な反響感度はしっかりと出ています。以前レガーメさんの他のモデルを使用した時は反響感度に不満がありましたが、毘沙に付いては特に不満もなく必要十分な反響感度です。
20cm程度の硬いショートソリッドの影響もあると思いますが、アジの吸い込みは勿論、テンションフォール後の着底や藻や岩へのコンタクトも十分に感じ取ることが出来ました。
グリップの握り方にもよると思いますがバランスもそこそこ取れているのでテンション抜けのアタリも感じ取ることが出来ました。
ロッドのパワー
対ギガアジロッドというだけあってロッドパワーは相当なものです。毘沙の面白いところはガチガチの棒のようなパワーロッドではないので25cm程度のアジでもオーバーパワー気味にならないところです。
ティップは一切入らないと言ってもいいぐらいガチガチなのですが、ベリー〜バットの先の方はかなり繊細なので負荷をかけるとベリー〜バットまでスムーズに入るスローテーパーになります。25cmのアジでもバット手前からしっかり曲がるので十分に楽しむ事ができます。
では、大型のアジがヒットした場合は曲がり切ってのされるのではないかと思われるかもしれませんが、バット手前までがしっかりとしなり復元力で魚を浮かすのでリールと無心でゴリゴリ巻けばあっという間に寄ってきます。
ブランクスが綺麗にベンドするので腕に掛かる負担が少なくファーストテーパーな高弾性ロッドと比べて同じサイズでも楽にやり取りすることが可能です。
バット手前まで曲がり込みロッドの一番強い部分に負荷を掛けながらやり取りできるのでギガアジとのファイトが楽に出来ます。高弾性のバットが入らないようなロッドと比較すると毘沙が如何に楽にやり取りできるかがわかってもらえると思います。
2019年1月現在このロッドで釣った最大は47cm。30〜40クラスを結構な数釣りましたがこのサイズであれば10秒も掛からず楽にランディングできます。47cmのアジも10秒程度で取り込むことが出来ました。
毘沙で抜きあげたサイズは43cmまでですが、まだまだ余裕があるように感じました。35cmクラスなら角度を間違えなければ一切の恐怖感はありません。
抜き上げと言ってもカツオの一本釣りのように豪快に抜き上げるのではなく、ロッドを立てないようにバットに負荷を掛けるイメージで自分よりも魚が横に来るように抜きあげています。魚を左右どちらから抜き上げられない場合などロッドを立てるように抜き上げる行為はロッドの破損に繋がりますので、タモ網の使用をオススメします。
レガーメ XAB-6517 毘沙のインプレ・まとめ
現在はメーカーHPもこのロッドの特性にマッチした説明文に変更されていますが、以前は剛竿のイメージしか湧かないミスマッチなものでした。
その剛竿のイメージで毘沙を触ったので最初はあまりにも普通のアジングロッドだったのでビックリしました笑
実際は1gのジグヘッドでもしっかり操作でき、レギュラーサイズのアジでもしっかり曲がってアジングを楽しむことができるロッドでした。
しかし、対ギガアジロッドだけあってしっかりとベンドしたブランクスの復元力とバットを使ってグイグイと魚を寄せるパワー、ディープや重めのジグヘッドの操作感など専用ロッドの特性も備えたある意味バーサタイルなアジングロッドと言えるでしょう。また、軽量リグであってもラインテンションのコントロールが自在に行えるという特徴も持ち合わせています。ここ大事。
地域柄ギガアジを狙って取ることは難しいのですが、35cmクラスのアジは季節限定ではありますが狙えるので、デカアジをゴリゴリ巻く豪快な釣りをこのロッドで楽しんでいます。